採取した環境試料から”その場”の環境を評価する新たな手法について研究しています。近年では、遠洋性の海洋堆積物を用いて古海洋環境を高精度で復元することをテーマに挙げています。
堆積当時の古海洋環境を高時間分解能で復元することを目的としています。特に現在までに明らかにされてこなかった更新世後期から現世にかけての氷期-間氷期サイクルを経験した遠洋性海洋堆積物について、多元素分析と統計的手法を用いて、その中に含まれる陸源砕屑物の起源推定を行います。
堆積物を構成する沈降物が海底面に到達した後に受ける変性作用(自生作用・続成作用)はその場の堆積環境によって大きく異なります。このことを定量的に評価するためには堆積物内に含まれる元素の化学状態分析が必要になります。そのため主にシンクロトロン放射光を用いたX線吸収微細構造法を堆積物に適用して水平及び垂直(堆積年代)方向に元素の化学種変動を観測しています。
(左上)即発ガンマ線分析法による元素分析
(左下)機器中性子放射化分析法による元素分析
(右上下)X線吸収微細構造法による元素の状態分析